SEOの知識やスキルが向上してくると、試してみたくなるのが、このcanonicalの設定だ。
canonicalはインデックス最適化の施策の一つで、有効に使うことで、検索エンジンにとって読み取りやすいサイトにすることができる。
このページでは、canonicalが有効な場合と、設定方法をご紹介する。
ぜひ参考にして欲しい。
1.canonical とは
検索エンジンは、一つのサイト内に中身がほぼ完全に重複するページが複数ある場合、アルゴリズムが最も最適と判断したページを検索結果に表示するようにしている。
そのため、場合によっては、あなたが検索結果に表示させたいと思っているページが表示されない場合がある。
このときにcanonical を使うと、重複コンテンツのうち、どのページを優先的に検索結果に表示させるのかを Google に伝えることができる。
分かりづらいと思うので、具体的にどういう場合に使うのかをご紹介しよう。
2.canonical を設定すべき2つのケース
canonicalを使うケースは主に以下の2つだ。
- サイト内に重複コンテンツができているケース
- 複数ページにまたがる続きもののコンテンツに「全て表示ページ」が用意されているケース
一つずつ詳しく説明する。
2−1.重複コンテンツに設定する場合
サイト内に重複コンテンツができてしまう例として以下のようなものがある。
- ECサイトなどの複数の異なるURLで表示される商品ページ
- ウェブページの印刷用バージョン
例えば、ECサイト のシステムでは、以下のように、同じ商品ページでも、商品の色や大きさごとに異なるURLが存在していたり、自動的に訪問者識別IDが付属されて複数の URL が生成される場合がある。
下の図を見て欲しい。
このとき、コンテンツの内容は全く一緒なのに、ページ①は、以下のようなURLで表示され
ページ②は、以下のようなURLで表示され
ページ③は以下のようなURLで表示されることになる。
この場合、検索エンジンも、どのページを検索結果に表示させれば良いのか迷ってしまう。
そこで、メインとなるページに canonical を設定することで、オリジナルのページが検索結果に表示されるようにすることができる。それと同時に、他の重複ページへのリンク効果を、そのオリジナルページに集約することができる。
つまり、 オリジナルページが上位に表示されやすくなるのだ。
2−2.全て表示ページに設定する場合
canonicalを設定すべき、もう一つのケースがこれだ。
『rel=”next” と rel=”prev” の使い方』で説明しているような、複数のページにまたがる“続きもののコンテンツ”で、一番最初のページ以外に、全てを表示するページを用意している場合、canonical が有効だ。
つまり、他のページで獲得したSEO効果を全て表示ページに集約させ、その、”全て表示ページ”が検索結果に優先的に表示されるようにすることができる。
通常、検索エンジンは“全て表示ページ”を優先的に検索結果に表示させようとする。ただし、Google に対してより明確に指示したい場合、canonical を設定することで、適切に検出される可能性を高めることができる。
3.canonical の設定方法
canonicalを設定するケースは抑えられただろうか?それでは、次に設定方法をご紹介する。設定は非常に簡単だ。
3−1.設定方法
それぞれのHTMLの、head セクションに以下の記述を追加する。
例えば、上の全て表示ページの例で言うと、page-1.html ~ page-n.html の各ページのヘッダーに、<link rel=”canonical” href=”http://example.com/page-all.html” /> を追加すれば良い。(※リンクは絶対パスでも相対パスでも可能)
3−2.設定に当たっての注意事項
canonical を設定する前に、以下の注意事項を確認しておこう。
- 重複ページのコンテンツと canonical ページのコンテンツがほぼ完全に重複する場合に使う。
(※続きもののコンテンツの場合で全て表示ページを canonical ページにする時は別。) - canonical ページが、エラーや404ページではないことを確認する。
- canonical ページに noindex メタ タグがないことを確認する。
- rel=canonical で指定する URL が間違えていないことを確認する。
- rel=canonical を 1 つのページで 2 つ以上指定していないことを確認する。
4.canonical に関する Q & A
4−1.canonicalページと重複ページが完全に重複してない場合
基本は完全に重複していることだが、商品の並びが違うなどの微細な違いであれば許容の範囲内なので、canonicalを設定しても良い。
4−2.canonical を設定してから反映されるまでの期間
Googleは、クローラーが再度回ってきて、再度インデックスされるタイミングで canonical の表記を確認する。
つまり、現在のサイトのクロールの頻度と、インデックスのスピードによって期間は変わる。
通常は1〜2週間程度と考えておいて良いだろう。
4−3.異なるドメインのページに対しての canonical 設定
原則として異なるドメインのサイトに canonical の設定はできない。
サイトのドメイン変更などの場合は 301 リダイレクトを使う。ただし、サブドメイン間での設定は可能だ。
また、サーバー側でリダクレクとの作成をできないサーバーを使用していて、新規ドメインに移行しようとしている場合は、canonical を設定して、どちらのURLをインデックスの対象にするかのヒントをGoogle に送ることができる。
4−4.完全に重複していない商品ページの場合
例えば、同じ種類のシャツの商品販売ページが複数あり、違いが商品画像の色だけの場合などは、最も人気のある色のページを canonical ページに設定するのが良いだろう。
5.canonical はインデックス最適化の一つ
本当に効果的なSEO対策は、大きく分けて、
- コンテンツSEO
- クロール最適化
- インデックス最適化
の3つに分かれている。
その中で、canonical の設定は、検索ユーザーにとって有益なページを厳選してインデックスさせるためのものだと考えよう。
コメントはこちらから