事例 / アメリカ本社の約6倍のPV&月200件のリード獲得を達成したDropbox のコンテンツマーケティング

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Dropbox navi

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Dropbox Japan 様は、オンラインストレージを開発・提供している企業です(本社:アメリカ)。世界で5億人を超える登録ユーザーを持ち、個人向けの利用者数の調査で3年連続シェア1位を獲得しています。(出典:スターティア株式会社調査

2016年2月に「Dropbox navi」という、もともと存在していたブログを完全リニューアルしました。以後ナレッジワーカーの生産性を向上させることを目指したコンテンツを公開しています。

リニューアルから順調にPV数を伸ばし、2018年4月時点で月間87万PVを超えました。リード(見込み客のメールアドレス)も月間200件獲得しています。

今回の取り組みを通し、具体的にどのような変化が生まれたのか、担当の植山さんにインタビューをしました。
コンテンツマーケティングを検討中の方、または取り組んでいるけれどうまく成果に繋げられていない方は、ぜひ参考にしてみてください。

1. 課題と成果

まずはリニューアル前後の状況を比較してみましょう。

実は今回の取り組みの前から、Dropbox Japan にはコンテンツマーケティングを目的としたメディアが存在していました。しかし、SEOからの流入もコンバージョン(リードの獲得やDropbox の申し込み)もほとんどなく、機能していない状態でした。

2016年2月にリニューアルを実施。10ヶ月後の12月には200件ものリード(メールアドレスの獲得)をコンスタントに獲得できるまで成長しました。流入も段違いに増え、2018年4月現在では87万PV(870,650)に達しています。

上位表示達成キーワード一例(平均掲載順位) 検索数
ssdとは(2.5位) 14,800
ssd 寿命(1.0位) 9,900
共有フォルダ(2.6位) 5,400
ファイルサーバー(1.7位) 3,600
写真保存アプリ(2.1位) 8,100
ファイル管理(1.7位) 6,600
Dropbox 使い方(1.1位) 5,400

またリニューアル前は、「 Dropbox 」というブランドネームからの流入がほとんどだったのに対し、今では「ssdとは(検索数:14,800)」「ssd 寿命(検索数:9,900)」などのビックワードや、「ファイルサーバー(検索数:3,600)」「ファイル管理(検索数:6,600)などのミドルワードでも上位表示されています。

潜在的なニーズを持っているユーザー層から、顕在的なニーズを持っているユーザー層にまで幅広くアプローチすることができるようになりました。

上記の結果は、アメリカを含む各国のDropboxのマーケティング担当が、膨大なコストをかけても実現できなかった数字であり、驚きを持って迎えられているとのことです。

2. 取り組む前の状況

ここからは、Dropbox Japan の植山様のインタビューです。まずは、取り組む前の状況を直接うかがってみましょう。

Dropbox Japan 植山周志

Dropbox Inc,.
Customer Growth
Head of International
植山 周志 様

“高額な大手代理店に依頼したが全く機能しなかった”

私はDropbox Japan に2015年の末に転職してきたのですが、その当時、既に「コンテンツマーケティング」という手法は一般化されつつありました。

Dropbox Japan に関しても例外ではなく、大手広告代理店が作った、コンテンツマーケティングを目的とした「Dropbox navi」というサイトがあったのです。でも、残念なことにまったく機能していませんでした。

“ノンブランドワードからの流入がほとんどなかった”

「 Dropbox 」というブランドワードの検索からの流入は多少ありましたが、「 オンラインストレージ 」などのノンブランドワードからの流入がほとんどなかったのです。当然コンバージョンも生まれていない状況でした。

3. バズ部と共にコンテンツマーケティングを始めた理由

ルーシー 石井

(左)株式会社ルーシー
取締役 石井 穣

“バズ部には「良いコンテンツ」に対する明確な定義があった”

バズ部さんとの最初の出会いは、2011年頃でした。当時在籍していたG社でコンテンツマーケティングを行うことになり、パートナーとしてバズ部さんにお願いしたのが始まりです。そこからの長いお付き合いになります。

G社でメディアを立ち上げたのち、S社に移りました。S社は本社がアメリカにあるのですが 、立ち上げから1年で100万PVというアメリカ本社でも実現できなかったことを達成しました。

そして現在、その経験を活かして、Dropbox Japan でもバズ部さんとコンテンツマーケティングに取り組んでいます。

バズ部さんには、「良いコンテンツ」に対する明確で詳細な”定義”がありました。また、そのコンテンツを開発するための、確かな制作プロセスがあります。

特に、質の高いコンテンツの定義を教えてもらったのは、個人的に大きな収穫でした。

実際のところ、コンテンツ制作は楽な仕事ではないので、マーケター自身が向き合わずに外部に依頼をする傾向も強いと思います。

この取り組みの中で、自分で実際に手を動かしブログを書いたことで、良いコンテンツとそうでないコンテンツが明確に判断できるようになりました。
マーケターとしての財産であり、強力な武器になっていると実感しています。

“高い実績があり「絶対達成できる」と言ってくれた”

当初Dropbox Japan からバズ部さんに、「50万PVを目指し、ユーザーの真のニーズを満たす「Dropbox navi」に作り直してほしい」と依頼しました。

バズ部さんは「絶対達成できます」と言ってくれましたし、いつも素晴らしい結果を出してくれます。ユーザーも本当に喜んでくれる。だから自信を持って社内を説得しました。

4. コンテンツマーケティングで苦労したこと

“企画を通す(予算をもらう)ことが大変だった”

実はコンテンツマーケティングを導入しようとしたとき、1つ目のハードルは現れました。 企画を通し、予算を確保するということが本当に大変だったんです。

Dropbox 社をはじめ外資系企業で企画を通すためには、アメリカ本社の偉い方々を説得する必要がありました。「英語」と「数字(データ)」「ロジック」「情熱」の4つがないと、はなから話を聞いてもらえません。そこで以下の資料を用意し社内でプレゼンを行い、粘り強く説得をしました。

企画を通すためのロジックは以下の3点です。

1. これから直面するであろう危機を見せる
2. 現状とさらなる可能性を見せる
3. 競合他社がやっていることを見せる

企画を通す3つのロジック

また、その他にも広告(リスティング広告など)と比較し、コンテンツマーケティングの圧倒的な費用対効果の良さをアピールしました。

最終的には、会社の上の立場で協力的な人を見つけて味方になってもらったり、テストだと言ってやらせてもらったりもしました(笑)。

“大きな成果が出るまで時間がかかった”

2つ目のハードルは、立ち上げてから大きなトラフィック(ユーザーの流入)やコンバージョン(リードの獲得)が生まれるまでに数ヶ月かかることです。いずれ結果が出ることを頭で理解していても、どうしても数字として現れないうちは不安になります。

不安になるのは挑戦している証拠ですし、当然リスクも負うことになります。
でも今となっては、自分自身の成長も感じられたので、良かったとは思います。楽ではないけれど、結果に繋がってくると楽しくてしょうがないですね。

結局は「 強い意思でコミットする」ことが一番大事だと思います。自分自身がやりきる意思にコミットしていれば、障害を乗り越えることができます。

5. コンテンツマーケティングの3つのメリット

コンテンツマーケティングのメリットは、大きく分けて3つあると考えています 。

“1. 高いコストを払わなくてもトラフィックが自然に生まれる”

1つ目は、トラフィックが自然に生まれること 。例えば 、リスティングで月間50万PVのトラフィックを獲得しようとすると、仮に1クリック400円とすると月々2億円の費用が必要になります。また、広告の予算がなくなってしまったら、当然トラフィックは途絶えてしまいます。

コンテンツマーケティングだと、これがなんと無料 ! 効果的なトラフィックの獲得が実現します。

“2. ユーザーをハッピーにできる”

2つ目は、ユーザーをハッピーにできることです 。

コンテンツマーケティングは、ユーザーニーズに立脚したコンテンツを作ることを前提としているので、自ずとサイトを訪れたユーザーに”満足”を提供することが可能となります。

“3. 1対100万のコミュニケーションができる=スケーラブルである”

3つ目は、スケーラブルであることです。

営業マンは通常、1対1でモノを売ります。効率的な仕組みを作ったとしても限度があります 。

一方で、コンテンツマーケティングでは100万PVがあったなら、1対100万のコミュニケーションが可能になるのです。

6. 成果を生み出すコンテンツ制作に重要なこと

“まずは十分な量のトラフィックを生む”

リードの獲得において重要なことは、十分な量のトラフィックを生むことだと思います。 それが最初に成すべき課題です。

そしてトラフィックを獲得するために重要な要素は、以下の3点です。

1. コンテンツの量
2. コンテンツの質
3. グーグルへのクロールへの対応

この3点を上手くコントロールできれば、おのずと成果が上がるでしょう。

“コンバージョン施策はテストをしてうまくいったものを残す”

次に何をコンバージョンさせたいのかを明確にし 、コンバージョンの施策を行っていきますが 、この施策には王道はないと思います。 いろんな施策を試して、さらにテストをし、上手くいったものを繰り返し展開していきます。

上手くいかなかった場合はどこに問題があったのかを考えて結論を出し、さらなる仮説を立ててPDCAを回していきます。ちなみに、私たちは上手くいかなかった施策のことを”失敗”とは呼びません。”データ”と呼ぶようにしています!

幸いDropbox にはテストをして失敗しても、そこから学んで新たにテストして成功すれば素晴らしいという文化が根付いています。だからPDCAを回しやすい環境です。

マーケティングに必要な数字はいつでも社内のデータベースから取り出せるようになっているんです。そういった素晴らしい環境も、成長に一役買っているんだと思います。

7. 今後の取り組み

“業界特化型のコンテンツマーケティングを展開する”

「Dropbox navi」は安定的なPV数を獲得することができていますし、それがオンラインでの売り上げにも繋がっています。また、リードも順調に獲得している状況です。

今後は、より戦略的なリードの獲得を1つの目標として考えています。具体的には、業界に特化したコンテンツの開発です。ピンポイントで狙った業界でリードを獲得する。その業界を増やして、リードの獲得を最大化していくという、リードを集めるマシンにしたいですね!

“日本で生まれた成功事例を世界に拡大発展させていく”

植山様と石井

今では月間約90万PVを獲得しており、これはアメリカ本社のブログの6倍以上のトラフィックになります。

本社のCMO(マーケティングの最高責任者)も、全社向けにこの成果についてコメントをしてくれました。ヨーロッパ各国のブログのトラフィックと比較しても、明らかに次元の違う成果を実現したんです!

次の展開としては、日本で生まれたコンテンツマーケティングの成功事例を世界に拡大発展させて、アジアパシフィックやラテンアメリカなど非英語圏でビジネスを成長させていきたいと考えています。

それぞれ商慣習も違いますが、地域にカスタマイズした手法を開拓して、インターナショナルなフィールドで、マーケティングの第一人者と呼ばれるようになりたいですね。

8. 質の高いコンテンツは、ブランドの価値を大きく飛躍させる

いかがでしたか?

Dropbox Japan 様はリニューアルによってコンテンツを一新し、大きな成長を遂げられました。同じコンテンツマーケティングのサイトであっても、コンテンツの質によって、得られる成果が180度変わることがお分かりいただけたのではないでしょうか。

そして、コンテンツの質は、担当者である植山さんの情熱にも根ざしています。植山さんは3社に渡ってコンテンツマーケティングを実施しているので、その価値をとても良く理解されています。ゴールを見据えた上で、「絶対に成功させるんだ」という気概を持って取り組まれている姿が印象的でした。

コンテンツマーケティングのメリットは、膨大な見込み客を集められるだけではありません。植山さんが語ってくださったように、ユーザーをハッピーに導くものであり、それがブランドとしての価値を大きく飛躍させてくれるものなのです。

※ インタビューの内容はPDFでもご覧いただけます。

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